～マトラMS80×ジャッキー・スチュワート～
ジャッキー・スチュワートにとって、マトラというコンストラクターの存在はとても大きく、自身のレース人生を決定づけたチームといっても過言ではありません。マトラがF1に参戦した期間はとても短かったのですが、このマトラが挙げた勝利数（全9勝）はすべてジャッキー・スチュワートによるものであり、更に1969年にはマトラMS80でシーズン5勝を挙げ、スチュワートにとっては自身初、またチームとしては最初で最後となるF1ワールドチャンピオンを獲得することになります。補足ではありますが、このマトラというコンストラクターは後のティレル→BAR→ホンダ→ブラウンGP→そして今日のF1で圧倒的な強さを見せるメルセデスAMGの前身となったチームです。

"THE GREEN HELL"（緑の地獄）とは、今ではドイツ・ニュルブルクリンクの北コース（ノルド・シュライフェ）の愛称として知られていますが、THE GREEN HELLと最初に名付けたのがスチュワートでした。スチュワートは当時、このノルド・シュライフェのコースを得意としており、前年の68年にスチュワートは濃霧のレインコンディションの中、2位以下を4分以上放しての圧勝劇を見せつけ（手首が骨折した状態でレースに臨んだという説もあり）、翌69年には2位という成績を残しました。
このメモリアル・ポスターには、ノルドシュライフェのテクニカルセクションをマトラMS80と共に駆け抜けるスチュワートが描かれていますが、その光景はどこか孤独で寂しげなイメージ。そして、光沢感のある赤い色で描かれた"THE GREEN HELL"という文字はまさに血の色・・・常にレースは死と隣り合わせだったといったイメージを連想させる1枚です。

こちらのポスターは同じく、1969年8月3日にノルドシュライフェで開催されたドイツGPで、ノルド・シュライフェのジャンピング・スポットを駆け抜けるマトラMS80とスチュワートが描かれています。まさに、THE FLYING SCOTな1枚です！

一方こちらは、3戦を残した状態で、勝ってチャンピオンを決めたイタリアGP仕様のポスターです。（上記のポスターのMS80と比較するとわかりますが）マシンの仕様もイタリアGP仕様となっており、モンツァの高速サーキットに合わせ、少しでもダウンフォースを減らすため、マシンのリアウィングが取り外された仕様になっています。むき出し状態のDFVエンジンもリアルに描かれています。

こちらは、同社では鉄板となりつつあるヘルメットポスターです。スチュワートの母国であるスコットランドのナショナルカラーをバックに、レースで戦ったスチュワートのBUCO製のヘルメットがこれまたリアルに描かれています。タータンチェックのラインも彼のシンボルです。同社のヘルメットポスターだけをコレクションするのも面白いでしょう。