こんにちは、バイヤーの岡林です。
いつも読んで頂きありがとうございます。
先月のイタリア出張時に、もうひとつ訪問したところがあります。場所は、サンマリノ。初めて行きました。

かねてから、どうしてもお会いしたい方がいまして、電車やバスを乗り継いで到着したのが、サンマリノ。
イタリア本土の中に位置しますが、れっきとした独立国家です。レースなどではサンマリノGPが以前は開催されていましたし、あのアイルトン・セナが事故により亡くなったサーキットがあります。長い歴史の間、いくたの侵略からも耐え抜いたサンマリノは、チタン山の頂上にその中心があります。たいへん美しい街です。


私が会いたい方の名はMassimo Tamburini/マッシモ・タンブリーニ氏。
古くは、バイクメーカーBIMOTAの創設メンバーとして(BIMOTAの "TA" はTamburiniの頭文字から取ったもの)、DUCATI移籍後はスーパーバイク選手権で優勝をもたらし、916、748、996、998などを開発。そしてMV AGUSTA復活の際は、F4やBRUTALEなどを開発に従事し、Motorcycle Artと呼ばれています。2008年にCRC(カジバリサーチセンター)退職。数々の歴史に残るイタリアンバイクを世に送り出した人です。

*写真が反射してスイマセン。
快く出迎えてくれたのは、息子のアンドレア・タンブリーニ氏。彼に連れられてご自宅に案内してもらうことになりました。アンドレア氏は2008年までMV AGUSTA CORSE(MV AGUSTA社のスペシャルパーツ部門)に勤めていました。
そして感動の対面です。思わず口をついて出た言葉「オーマイーガッ!」。まさに彼は私にとって神のような存在なのです。「モ、モ、モールトリエート」(Molto lieto:イタリア語で『初めまして』)」生まれてこのかたこんなに「モ」の音が出なかったことはありません。いやー、緊張しました。

特に目を引いたのは、DUCATI955。タンブリーニ氏曰く、この車両は世界で3台しか存在しない、幻の市販車だそうです。もう一台は、最近鬼籍に入ったMV AGUSTA社元社長クラウディオ・カスティリオーニ氏が所有し、もう一台は知らないとのこと。
左奥にあるのがDUCATIデスモセディッチRR。「このデザインをしたのは私の弟子だが、フロントフェイスは素晴らしい。でも、サイドカウルのデザインがイマイチなんだよね」と辛口のコメントも、彼が言えば重みがあります。

やっぱり、F4はかっこいいですね。MV AGUSTA復活の2000年、一番最初に発表したのがこのF750 Serie Oro。
最も感動的だったのが、タンブリーニ氏から、BIMOTA創設ストーリやMV AGUSTA開発秘話など、本人から色々と聞けたことです。間違っていたらゴメンナサイ、彼はこれまで日本の二輪メディア誌にインタビューなどでほとんど登場したことがないと思います。だから、今回お話ができたことは余計に貴重に感じました。お会いした当初は無口でほとんど話さなかったのですが、オートバイの話になると事細かに、そして目を輝かせながら説明してくれました。
私はメカニック的なことは全く分りません。しかし、タンブリーニ氏が歩んできたこれまでの歴史に感動し、そしてこれから未来に向かって進んでいくそのパッションに強い刺激を受けました。そして何よりも、彼の生み出す作品の美しさにはいつも心を奪われます。
バイクを開発する上で最も心がけていることは?と質問してみました。
「美しさとパフォーマンスは常に両立しなければならない」
「BETTERな選択ではなく、常にBESTを求める」
それはタンブリーニ氏が手掛けた、これまでの作品が証明しています。

温かく迎えて頂いたタンブリーニファミリーには心から感謝致します。
……… さて、今回私がタンブリーニ氏を訪問したのにはもうひとつ理由があります。
2012年初旬、MotorimodaではタンブリーニのDNAを引き継ぐべく、Tamburini Corseの国内販売を開始します。主なアイテムはライディングウエアーやカジュアルコレクション。また、MV AGUSTAをはじめとしたパフォーマンスパーツも多数あります。
「美しさとパフォーマンスは常に両立しなければならない」
「BETTERな選択ではなく、常にBESTを求める」
タンブリーニがやり残したこと、本当にやり遂げたかったもの。
Motorimodaが皆さんにお届けします。

もう少しお待ちください。詳細は改めてご案内致します。