特集 | 知ってるつもり?バイク用品の安全規格を徹底解説!

海外バイクアパレルが好きな方であれば、一度くらい「CE規格」や「CE認証」といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。でも実際、それが何を意味するのか正しく理解している方は少ないと思います。
そこで今回、当社とも関連の深いこの「CE」について徹底解説しますので、欧州バイクアパレルへの理解を深め、より安全にバイクを楽しむための用品選びに役立てていただければと思います。

CEについて

まず、欧州で流通・販売されるバイク用品には「CEマーキング制度」に基づいて、「CEマーク」の表示が義務付けられています。CEマークの表示にはEU域内で統一された厳格なルールや基準が設けられており、それらクリアしないと表示することができません。つまりCEマークは、該当するそれらの欧州整合法令をクリアした証なのです。 CEマークのない製品が流通・販売されると製造者が厳しく罰せられます。

CEマークのブックレット
CEマークが表示される製品にはその詳細を説明する冊子が付属します。

CEマーキング制度とは

CEマーキングの制度は、それまでEU域内でバラバラだったルールや基準を統一し、流通を円滑化させる目的で1993年にスタートしました(93/68/EEC)。”CE”はフランス語の「 Conformité Européene 」の頭文字であり、直訳すると”欧州適合性”となります。
この制度の対象はあらゆる分野におよび、加工機械や玩具、家電製品など多岐に渡ります。あなたがこの記事を見ている、そのスマートフォンもCEマーキング制度の対象です。

当初、バイクウェアはPPE(個人用保護具)として、1994年に制定された「EN 13595(整合規格)」に基づき職業ドライバーへ向けた製品のみが制度の対象となっていました。
2018年4月21日より新しい法律(PPE規則2016/425)が施行され、一般向けドライバーに向けた製品もPPE(個人用保護具)の対象とし、新規格「EN 17092(整合規格)」に基づいたCEマークの表示が義務付けられました。

CEマークとEN規格

CEマークを表示するためにクリアしなければならない基準の一つに、「EN規格(整合規格)」があります。
”EN”はEuropean Normの頭文字であり、European Standardsとも呼ばれるEU域内における統一規格による安全基準(日本でいうJIS規格のようなもの)のことです。

このEN規格こそがバイク用品において、その安全性を明確化する重要な規準となります。

下記はバイク用として製造される主なカテゴリーのEN規格の一覧です。

EN規格 アイテム
 -EN 1621-1:2012   部分プロテクター 
 -EN 1621-2:2014   バックプロテクター 
 -EN 1621-3:2018   胸部プロテクター 
 -EN 19038:2010   ゴーグル 
 -EN 13634:2017   シューズ 
 -EN 13594:2015   グローブ 
 -EN 13595   プロ向けのバイクウェア 
 -EN 17092   一般向けのバイクウェア 

この中でもとりわけ重要な「プロテクター」、「一般向けのバイクウェア」、「グローブ」、「シューズ(ブーツ)」について解説します。

- プロテクター(EN 1621) -

EN 1621に区分されるバイク用プロテクターはその種類と性能によってさらに細分化されます。
プロテクターの役割は「どれだけダメージを小さくできるか(吸収できるか)」ですが、その度合いを「レベル表記」で表します。約2.5㎏のストライカ(重り)を2mの高さから落下させ、プロテクターを通して身体に伝わる力「kN(キロニュートン)」を計測します。プロテクターごとに上限が定められ、レベル1とレベル2に分類されます。レベル2はレベル1に比べて身体に伝わる力は小さくなり、防御力はレベル1<レベル2となります。

以下はプロテクターの種類と種類ごとの基準値です。

▼部分プロテクター(EN 1621 -1:2012)
レベル1:平均35kN、最大50kNを超えてはならない
レベル2:平均20kN、最大35kNを超えてはならない

対応箇所によりアルファベットで識別。
├ S –肩
├ E –肘
├ H –ヒップ
├ K –膝
├ K+L –膝と脛
└ KP –ナックル プロテクション

▼バックプロテクター(EN 1621 -2:2014)
レベル1:平均18kN、最大24kNを超えてはならない
レベル2:平均9kN、最大12kNを超えてはならない

代表的な保護範囲に下記の3種類があります
├ FB -フルバック(背中全体)
├ CB -センターバック(背中中央)
└ LB -ロワーバック(背中下部)

▼胸部プロテクター(EN 1621 -3:2018)
レベル1:平均30kN、最大45kNを超えてはならない
レベル2:平均20kN、最大35kNを超えてはならない

各プロテクター共通の項目ととして下記の表示があります。
T+ ・・・40度以上(高温)でも性能を発揮
T- ・・・-10度以下(低温)でも性能を発揮

また、プロテクターの保護範囲に応じて下記の2タイプがあります。
TYPE A ・・・限定的(専門的)な保護範囲
TYPE B-・・・通常の保護範囲

EN1624
SAS-TEC(サステック)のプロテクターのCEマーク。EN 1621 -1:2012に準拠したS/E/K(肩・肘・膝)のTYPE A(限定的な保護範囲)、H(ヒップ)のTYPE B(通常の保護範囲)のレベル1であることがわかります。

- ウェア(EN 17092) -

バイク用ウェアに関しては前途した通り、職業ドライバーへ向けた製品に対して「EN 13595」が適用されていましたが、一般的なライダー向けの製品についても2018年に施工されたPPE規則((EU) 2016/425)によりその対象となりました。この時、制定された新規格「EN 17092」は安全性をAAA、AA、A、B、Cの5つのクラスに区分し明確化しています。これにより製品のプロテクション能力がユーザーにとって判別しやすくなりました。

EN17092

▼EN 17092のクラス一覧

クラス EN規格 特徴
クラスAAA EN 17092-2:2020 最高レベルのリスクに対処。反面重くなりがちで快適性は損なわれる。
クラスAA EN 17092-3:2020 2番目に高い保護レベルで幅広いリスクに対応。快適性と保護性能を両立。
クラスA EN 17092-4:2020 快適性を重視し日常的なリスクに対応。パンツはヒッププロテクター非装備。
クラスB EN 17092-5:2020 摩耗に対する保護レベルはクラスAと同等だがプロテクターは非装備。
クラスC EN 17092-6:2020 部分的な衝撃保護機能を備えたアンダースーツ等で摩耗に対する保護性能はなし。

Pando Motoのウェアに縫い付けられているラベルにも「CE」のマークが
Pando MotoのウェアのCEマーク表示。レベルAの安全性を保持していることがわかります。

▼ゾーンについて
EN 13595では身体の部位を、転倒時にダメージを受けやすい順に3つのゾーンに区分しています。クラス別にゾーン毎の適用要件が定められています。
├ ゾーン1 -プロテクターによる肘、肩、膝、腰の保護領域
├ ゾーン2 -脚の外側、腕の上部と背中、臀部とその側面
└ ゾーン3 -接地リスクが低いとされる胸の前部、脚の内側、腕の内側です。

ZONE
EN 17092におけるゾーニング(出典元:Pando Moto HP)

▼ダルムシュタット・マシンによる耐衝撃摩耗性テスト
クラスAAAからAでは「ダルムシュタット・マシン」と呼ばれる特殊なシミュレーションマシンを用いて耐摩耗性のテストを行います。これは生地を装着したマシンがコンクリート上を高速で回転することで転倒時のスライドを再現します。基準の時間において5mmを超える穴が開かないことがクリアの条件となります。

次の動画はダルムシュタット・マシンを用いて実際にテストをしているシーンです。

ダルムシュタット・マシンAART Machine (Advanced Abrasion Resistance Tester)

▼クラス別ゾーン毎の耐摩耗性能の検査基準
-クラスAAA
├ ゾーン1 707.4rpm(120km/h相当)で4秒
├ ゾーン2 442.1rpm(75km/h相当)で1.2秒
└ ゾーン3 265.3rpm(45km/h相当)で1秒

-クラスAA
├ ゾーン1 412.6rpm(70km/h相当)で2秒
├ ゾーン2 265.3rpm(45km/h相当)で1秒
└ ゾーン3 147.4rpm (25km/h相当)で0.5秒

-クラスA
├ ゾーン1 265.3rpm(45km/h相当)で1秒
└ ゾーン2 147.4rpm (25km/h相当)で0.5秒

▼その他のテスト
耐衝撃摩耗性のテスト以外にも下記のようなテストを行い厳しい条件をクリアする必要があります。
・ 引裂強度 -生地を引き裂くのに必要な力を測定。
・ 縫い目の強度 -ジャケット等の接続部の強度を測定。
・ 寸法安定性 -洗濯により生地が5%以上収縮しないかを測定。
・ 無害性 -化学物質の人体や環境への影響をチェック。

- グローブ(EN 13594) -

バイク用のグローブもプロテクターと同様に「レベル1」と「レベル2」に分類されます。製品に縫い付けられたラベルに記載された数字から確認することができます。

▼レベル1
- 手首のラインから袖口までの長さ:15mm以上。
- 手からグローブが脱げるまでの力:27Nで脱がそうとする力に30秒間耐える。
- 引裂強度:引き裂く力を18Nまたは25Nで加えた際に耐えることができる。
- 縫い目の強度:引っ張る力を加えた際の結果が4N/mm(指)および6N/mm(残り)である。
- 耐摩耗性: 3回のテストで最低3秒間穴が開かない。かつ3回のテストの平均は4秒以上である。
- ナックルの衝撃耐性:オプション。

▼レベル2
- 手首のラインから袖口までの長さ:50mm以上。
- 手からグローブが脱げるまでの力:52Nの脱がそうとする力に30秒間耐える。
- 引裂強度:引き裂く力を25Nまたは35Nで加えた際に耐えることができる。
- 縫い目の強度:引っ張る力を加えた際の結果が7N/mm(指)および10N/mm(残り)である。
- 耐摩耗性: 3回のテストで最低6秒間穴が開かない。かつ3回のテストの平均は8秒以上である。
- ナックル衝撃耐性:2.5kgのストライカーをぶつけて、伝わる力が4kN未満である。

CEグローブ
SPIDIグローブにも当然CEマークが表示されています。「1」はレベル1であることを、「KP」はナックルプロテクター装備であることを表しています。

- シューズ(EN 13634) -

バイク用のシューズは4つの項目において、それぞれ「レベル1」と「レベル2」に分類されます。下記の画像を例に説明すると、左側のシューズはショート丈なので「種類においてレベル1」、右側のシューズはロング丈なので「種類においてレベル2」となります。これはあくまで種類におけるレベル判定ですので、そのほかの項目はそれぞれの項目ごとの基準でレベルが判定されます。

shoes-area
画像中のA/Bの表記は下記に記載するテストエリアです。

fuel-dustdevil
Fuel MotorcyclesのDust Devilブーツのラベル。EN 13634:2017表記の下に記載されている「2111」がレベルを表しています。

【シューズにおける4つの安全基準】

▼シューズの種類
- レベル1:ショート丈
- レベル2:ロング丈

▼耐摩耗性
研磨ベルトが回転する特殊な装置で生地の摩耗テストをします。
- レベル1:エリアAで1.5秒、エリアBで5秒
- レベル2:エリアAで2.5秒、エリアBで12秒

▼防刃性
ブレード(ナイフ)一定の高さから落下させ、それぞれのエリアで貫通する距離を試験します。
- レベル1:エリアAで2.0m/s時25mm以下、エリアBで2.8m/s時25mm以下
- レベル2:エリアAで2.0m/s時25mm以下、エリアBで2.8m/s時15mm以下

▼横方向の剛性
シューズを倒して上下から力を加え、一定の基準値に達するまでの力を測定します。
- レベル1:1.0kN~1.4kN
- レベル2:1.5kN~

また、シューズにはオプションの検査が設けられており、それらに合格すると下記のアルファベットがラベルに印字されます。
├IPA:足首への衝撃保護能力
├IPS:脛への衝撃保護能力
├WR:防水性
├FO:ソールの対油性
├SRA/SRB/SRC:ソールの滑り止め
├B:アッパーの通気性
└WAD:インナーの吸湿/放湿性

Dust DevilブーツのラベルにはWRとIPS、IPAの表記があるため、放水で足首とスネに対する衝撃保護能力を有することがわかります。

このようにレベル2のシューズはレベル1に比べて高い安全性を有しています。

このように、欧州で販売されるバイク用品は厳格な安全基準をベースにしっかりと管理されていることが分かります。CEマークの表示されたバイク用品を身につけることは、裏付けされた安全性に守られていることを意味します。特に安全に配慮したい方はレベルAAAのウェアにレベル2のグローブとプロテクターを装備するといいでしょう。逆に、タウンユースがメインであれば快適性を重視して、クラスAやAAのウェアにレベル1のグローブとプロテクターを装備するのもありだと思います。重要なのは自分で目的に応じて判断し「選ぶ知識」を持つことです。

バイク文化の成熟した欧州は安全に対する取り組みも日本より進んでいる印象があります。フランスでは流通・販売のみならず、CEマークのないグローブでバイクを運転することも禁止されています。日本では安全基準が設けられた装備はヘルメットくらいで、グローブでもウェアでもメーカーが「バイク用」と自称すれば、その安全性の裏付けなくバイク用品として販売が可能です。バイクは非日常を提供してくれる自由な乗り物です。しかし、そこには常に転倒や事故のリスクが付き纏います。自己責任論で片付けるのではなく、バイクに憧れを抱く世代、バイクを取り巻く環境のためにもしっかりとした装備でオートバイを楽しみましょう。

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