＜トスカーナスエード＞
アッパーに使用しているトスカーナスエードは、ネグローニが十数年に渡り信頼している、トスカーナの老舗タナリーより届けられます。発色は極めて美しく、やや厚みのある上質な起毛感は、多くのメゾンでも愛用される抜群のクオリティです。また、フィニッシュには抜群の半年間持続させるナノセラミックコーティング加工を施しているため、多様な天候にも対応できる仕様に仕上げています。

＜歴史を踏襲したデザイン＞
TOURERは、歴史あるチャッカブーツ型のドライビングシューズです。1960年代にF1やル・マン24時間をはじめとする、様々なレースで使用されていたレーシングシューズからインスパイアされたデザインです。外装のデザインだけでなく、このTOURER ツアラー (旅人)という名前も、当時販売されていたドライビングシューズのネーミングを復刻しています。レーシングシューズの歴史をめぐるより詳しい物語は、こちらのネグローニジャーナルよりご覧ください。

＜ドレスソール仕立てのドライビングソール＞
本作には、ネグローニがデザインした「ドレスソール仕立てのドライビングソール」を採用しています。ネグローニファクトリーで１点１点パティーヌ染色されたレザーウェルトの温かみと、機能性の高いラバー素材を組み合わせた特別なオリジナルソールに仕上げました。22mmのヒール高によって、カジュアルなドライバーズスタイルにはもちろん、ビジネススラックス、ドレッシーなセットアップスタイルにも対応可能です。

アウトソールに使用したのは、イタリアのビブラムファクトリーでのみ製造されている超軽量のVibram Gumlite。ソール表面の細かい発泡気泡によって、歩行時も、運転時にも申し分ないグリップバランスを発揮します。またウェルトライン(ソールから迫り出す押渕部分)は、ペダル操作時に干渉しない様に、トウの形状とのクリアランスを極限まで小さくなる様に仕上げています。

また、ドライビングポジションでは欠かせない、踵を立てた際の前後左右のピボット動作を可能にするために、 ヒール形状は80°のテーパー状に削られています。 横から見ると、一見ダブルソールのように分厚く見えますが、実際に接地するソール部分は約6mmと非常に薄く、アクセルペダルの感触を繊細に捉えることができます。これは、特殊製法の立体レザーウェルトによって、木型のボリュームをソールの内側に隠す視覚効果を生んでいます。これは、レザーソールの様な美しいドレスシューズの外装を保ちつつ、機能性と豊かなフィット感を失わない、ネグローニ独自の機構と言えます。

＜フィットのコンセプト＞
この１枚のレザーに包み込まれる独特のフィット感は、「TOURER」でしか味わうことができません。同じチャッカーブーツモデルのQUATTROとも非常に近い基本構造となりますが、最新型のウルトラスエード®︎とライニングレザーのレイヤーライニング構造によってチャッカブーツならではの豊かな履き心地を極限まで追求しました。

木型の設計は、グランプリハイトップやスピアヘッドと同様のソールゲージ(底面の寸法)を採用しているため、サイズ感はこれらのモデル(GRS木型)と同様です。足全体を立体的に捉えるS字カーブのコンセプトはこの木型でも同様に踏襲しているため、まるであつらえた靴の様な上質なフィット感を感じることができます。一見シャープな見た目とは対照的に、爪先にはしっかりと厚みがあるため、指先を動かすためのスペースを設けています。一般的なドレスシューズにありがちなタイトで硬いフィット感ではなく、実際に足を入れると外装からは想像のできない快適な空間を生んでいるのです。

＜ドライブ性能＞
チャッカブーツならではの甲で止めるフィット感は、ドライビングとの相性も非常に良く、街中でのクルーズ、ライトなスポーツドライビングにも最適です。